My English Learning History 7


1年ぶりに東京に行ってましたが、久々に行くとやっぱり楽しい~!
銀座とか青山あたりに漂うオサレ感を満喫してきました。ロンドンも東京も、私にとってはたまに行くのが一番楽しめる場所だな。

さて、ついに「私の英語学習の歴史」も最終回!Part 6 からの続きです。

2007年に和歌山に戻り、英語教室 Pines English School を開きました。
だがしかし!英語が話せることと、英語を教えられることは別物。
教室経営と並行してワークショップなどで「教える」を学ぶうちに、もっと研究したくなり和歌山大学大学院の教育学研究科に進むことに。

どんだけ勉強すっきやねん!と思われるでしょうが(実際妹たちに言われました)、いわゆるお勉強は苦手です。でも興味のあることは突き詰めたくなる性格なのです。

4月からいよいよ大学院が始まる、という直前に、知人の先生から「大学院合格のお祝いに」とランチに誘われました。そこに一緒に連れてこられたのがデイビッドでした。

私がイギリスに住んでいて大学院を出たことなどを英語で話していると、

「えらいわして~」
(注:和歌山生粋のマダムたちが使用する方言。「賢いですね、いい子ですね」の意味)

と、いちいち日本語であいづちを打つデイビッド。

「なに、この人…」
「顔はいいのに、そこはかとなく漂うダサ感がもったいな…」

という率直な感想は心の中にしまいつつ、すぐに私の中のケント・デリカットやダニエル・カール的な「おもしろガイジン枠」に入れられました。なので最初はまったくのアウトオブ眼中。(死語)

写真は出会ってすぐぐらいの若いデイビッド(和歌浦の番所庭園にて)

最初は「スクールのイベントとか手伝ってもらおうかな?」くらいの下心しか正直なかったのですが、とにかくデイビッドは思ったことはそのまま伝えるし、積極的。あー、海外ドラマの高校生たちもこんなんやったな、とアメリカの風土に思いを馳せつつ、いやいやいや…ととまどう私。

当時は半分ファームステイをしながら英語を教えていたデイビッドは安定した職についているとはとても言えず、しかも14歳年下。両親はもちろんいい顔をせず、躊躇する要素はいっぱい。でも、なぜかふっと「たまには流されてみてもいいか」という気持ちになったのです。(それまでの私は石橋をたたいても渡らない、と言われるほど基本的に慎重派)

直感的に「この人ならだいじょうぶ」という根拠のない自信がありました。

妹には「和歌山のルミ子と賢也って言われるでー」と脅されつつ、出会って7ヶ月後に結婚。

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ハワイのキャルバリー・バイ・ザ・シー教会で。
(ちなみにダルビッシュ投手もここで結婚式を挙げたらしいです…1回目の)

もちろん結婚してからもいろいろありました。
一緒に住んでみて生まれ育った環境の圧倒的な違いに悩むこともしばしば。日本人同士でも色々な違いがありますものね。ましてや、違う国で育ったもの同士。Divorce!!(離婚)って言葉を何度叫んだことか、私が。。

それまで私が親や学校から「ダメ」と教えられてきたことを、デイビッドは平気でするのです。言語的には、とにかくしゃべります。しゃべりたおします。(南部フロリダの出身なので、北部の人よりおしゃべりかもしれません)
日本人は Pause(間)を大切にして、無意識に会話の中に入れますが、間を入れようものなら機関銃のようにしゃべりたおして、こちらが話す隙を与えません(と、私には思えました)。そしてテンションが高すぎてついていけないことも。基本的に家では静かに過ごしたい私は、常にジム・キャリー(映画「マスク」や「Mr ダマー」とか)のテンションでいられると、「うるせーー!!!」と、ここまで他人にキレたことがないほどぶち切れることもありました。

またイギリス英語に慣れていた私にとって、南部のアメリカ英語は最初は聞き取りづらいことも。結婚前に一度、”Have you got a mobile phone?”(携帯電話、持ってる?)と何気なく聞いたときも、何度も聞き返され、”Oh~, cell phone!(あー、携帯電話のことね!)” とやっと通じたこともありました。イギリスでは携帯電話は mobile phone と言うのです。微妙に使う単語も違い、時々発音も(半笑いで)指摘されます。イギリス英語は子音をはっきり発音するので、water は 「ウオーター」のように “t” の音が明確ですが、アメリカ英語は「ワラ」のような発音。

とはいえ、英語講師としてはそんな違いを体験するのも楽しいものです。基本的な発音は大切ですが、日本人として、それなりに通じる発音であればコミュニケーションにとっては十分だな、と実感。むしろ発音よりも英語独特なアクセントやリズムをおさえる方が大切なのです。

ネイティブと生活を共にしてきて思うのは、

◆日本人の発音で上等!
◆ネイティブぽくしゃべるよりも、何を話すかが大事!
◆そのためには基本的に通じる英語独特のリズムやリエゾン(音のつながり)を押さえておく!
◆さらに中学英語レベルの文章を書いて瞬間的に話せること!
◆思いついた日本語をそのまま翻訳しようとせず、自分が持ってる英語力でニュアンスを伝えようとする!

これがいわゆる「使える英語」に通じるのではないか、ということです。

このやり方を続けながら、語彙や言い回しを学んでいけばよいのです。
まずは間違いを恐れずに使うこと。ここが出発点。

私もこれまでプライドを捨てきれず、英語のコミュニケーションで何度も失敗してきました。アメリカ人と結婚した今も、アメリカの家族や親戚と話すときは緊張したり、まだまだ心理的な障壁によっていつものように英語が出てこない場面もあります。

でも、「間違ってもいいや」「とりあえずニュアンスだけでも伝われば十分」という気持ちでいると、意外に自分が持ってる力を発揮できます。

特に夫婦ゲンカの場面では、「こいつに絶対わからせてやる!!」という強い信念があるので、めちゃめちゃ英語が出てきます。間違いが多少あっても、「通じさせる!」の気持ちが普段の英語力以上のものを引き出し、実践的に大変勉強になります。今では海外ドラマのビッチーな英語がすんなり出てくるほどになりました。(ケンカのときだけですよー)

自分のスクールでも大学でも、こうした心のあり方を意識してどんどん英語を使ってもらいたい、という気持ちで教えています。
あとモチベーションと「楽しい」と感じる気持ちは、英語に限らずどんな勉強でも大切な要素ですよね。語学は細々とでも続けることがレベルアップにつながるので、この「楽しい」を常に意識したレッスンを提供したいと思っています。

予想外に長くなってしまいましたが、少しでも英語学習のヒントや励みになりましたら、こんなうれしいことはありません。

いろいろと思い出しながら書くのは私自身とても楽しかったです。
不定期連載にお付き合いいただき、ありがとうございました♡

Kana

 

My English Learning History 1
Side Story(番外編)