大学生!!


私はこの時期いつも疲れやすい。

4月は新入生が入ってきます。大学の授業も1年生クラスは受験地獄&校則から解放された自由を満喫する学生でいっぱい。今回、とあるクラスが60人以上登録されていて(語学クラスとしてはありえない多さ)、一歩教室に足を踏み入れたとたん「ここ小学校低学年クラス?」って思うほど奇声が飛び交っていました。

たぶん講師はホワイドボードか黒板くらいの認識で、友達同士のコミュニケーションの方が大切なのでしょう。でもそんな彼らも私がシラバス関係の大事な話(成績について)を始めると急にシーーンと静まり返ります。

「飼いならされた猫」というエレカシの歌詞の一部がふと頭をよぎります。そう、毎年新入生を見て思うのは、高校までよくぞここまで受身の姿勢で学校に都合よく飼いならされてきたなあということ。英語の授業も、点数を取ること、試験にパスすることが中心だったのでしょう。

飼いならされたうちの猫ハクちゃん(元ノラ)

初回の授業で私はその概念を崩します。「間違ってもいいよ」「教室は間違えるところ」「っていうか間違いを恐れて英語を使えるようにはならないの!」と説明し始めたあたりから、ちょっと彼らの目が変わります。受験勉強をくぐり抜けてきた彼らはとにかく難しいことを言おうとして沈黙しますが、簡単な語彙で英語のコミュニケーションは十分可能です。語彙はコミュニケーションしながら増やすもの。英語が使えない一番の原因は「間違えたくない、恥をかきたくない」って思ってる自分自身なのです。

でも、この日本社会や学校で培われた彼らの概念を崩すのはなかなか難しい。正解または不正解でジャッジされてきた学校生活だったもんね、しょうがない、、私もそうだったからわかる。でも大学ではその小さい社会でしか通用しない概念を壊して、英語を使える世界に一歩足を踏み出してほしい。私の役割は彼らに新しい知識を与えるのではなく、英語を使うための刺激と勇気を与えることだと思って教えています。

こんな初回授業をしていると、「高校までの授業と違って板書とかなくて新鮮」「英語を話す勇気が出た」といった好意的なフィードバックがある一方で、「もっとレベル上げてください」「簡単すぎて(この授業)取るかどうか迷ってます」といった否定的(かつ攻撃的)なものもあります。いやいや、まだ1回目だから。しかもこの授業は初心者向けってガイダンスで説明されたでしょーが!と、まだまだ知識を増やしたり難しいことをするのが英語のお勉強って思ってる子が多いんだなと気づかされます。こういう否定的なフィードバックも以前は気になって落ち込んだりもしたけど、最近はほんとに気にならなくなってきたなあ、、と自分の成長にも目を細めつつ。

こんな飼いならされた猫ちゃんたちも、夏を過ぎて2年生になるとちょっとしっかりしてきます。夏休み前の1年生が、ほんと、一番しんどい。

去年の2年生クラス。積極的に英語を使い、授業もしっかり聞くすばらしい学生たち。

そして冒頭のクラスは最終的には登録者が80名以上に膨れ上がるという異常事態となり(こんなことは初めて)、やっと事務局が動いてくれて2クラスに分けてもらえました。よかったー。結局2クラスを私が担当することになってちょっと忙しいけど、野生で生きていけるたくましい猫たちを多く育てるべく今期もがんばりたい。それにしても日本の中学高校ってまだまだ私たちの時代のような授業スタイル(受身型)なんだろうなー。小学校英語の必修化よりもまずここを改善すべきでは?と強く思う。

Kana