【ほめる英語は人を動かす】ジェイミーのお料理番組から学ぶ


私は昔からジェイミー・オリバーが大好きで、最近は Facebook で彼のお料理動画をよく見ている。
楽しいし、お料理のモチベーションも上がってとてもいい。

私がイギリス留学中に BBC で始まった “Naked Shef(裸のシェフ)” で鮮烈なデビューを果たしたジェイミー。

めちゃくちゃキュートで(そんなイギリス人はほぼ周りにいなかった)、テレビや本に引っ張りだこだった。

今はいい感じのイギリス人のおじさんになったけど、話術と料理は変わらずチャーミングでやっぱり素敵。

先日、いつものように動画を見ていてハッとした。
そうか、ジェイミーのお料理ってポジティブな表現が至るところに出てくる!

これって「ほめる英語」だし、だから聞いてて楽しくてどんどん見たくなるんだなあ、と納得。

もちろんすばやい手さばきやテンポの良さにも引きつけられるけど、彼のポジティブキャラと使う言葉がとにかく気持ちいいのだ。

ある日のPrawn Toast(エビパン)は、留学中によく中華街で食べていた大好きなメニュー。

最高においしそうですぐに作りたくなった。(早くエビを買って来なくては)

You’re going to go nuts for this, like for real.

「これ本当に好きなだけ食べちゃうよ」

go nutsは「気がふれる」「興奮する」みたいな意味もあるけど、ここでは「遠慮せずに食べる」「思い切りやる」ニュアンスが強い。
うんうん、ほんとに今すぐ食べたくなる!

食材を紹介するときも、いちいち lovely uncooked prawn とか gorgeous とかポジティブワードがこれでもか!と出てくる。しかも自然。

この日のGolden Chicken with Minty Veg(黄金色に焼いたチキンの野菜ミントソース添え)もそそるメニュー。
(実はチキンはあまり好きではないのだけど、デイビッドの好物だしミントソースがいかにもイギリス!作ってみたい)

イギリス特有の lovely はもちろんのこと、ここでも fantastic, brilliant, incredible などの「ほめる英語」ワードが飛び交う。

教室の子どもレッスンでも毎回練習してるワードだけど、実際に見ると本当にネイティブの会話に欠かせないよね、としみじみ。
そして、あらためていい文化だなと思った。

なんか、ふつうのオムレツもジェイミーが紹介すると魔法にかかったみたいに極上のお料理に見える。
というか実際にぜったいおいしいと思うのだけど、言葉の魔法効果もある。
そしてその言葉がシンプルに心地いい。

Absolutely gorgeous(最高に魅力的)とか、日本語にしたら卵におおげさ!って思うかもしれないけど英語だと自然。
そして気分も上がる。日本語でも英語でもどんどん使っていきたい。
ぐつぐつしてる卵、実際に魅力的だし。

こんな風に日常の何気ないことや風景や人の良さを見て、言葉にする。
私も含めて日本人に足りてないところだなあと思うし、これができたらもっと日々が楽しくなるにちがいない。

完成後に “mashroom cooked beautifully(美しく出来上がったマッシュルーム)” と本当に愛おしく見つめながら試食するジェイミー。
さっそく作りたくて私の買い物メモにまた食材が追加された。

日本で言うなら土井善晴先生が近いかな。

土井先生も人やお料理への目線が優しくて、いつも言葉に癒される。
「奥さん、これめちゃくちゃおいしいよ」「いっぺん作ってみて!」とか先生に言われると、「うん、作る」ってすぐに心が反応する。

人を動かす力はポジティブな雰囲気と使う言葉にあるな、とあらためて思ったのでした。
私も英語を教えるときは、いつも以上に心がけていきたい。
(そして誰かの作った料理がたまには食べたい)

Kana


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