『ほめ英語入門』の出版から3週間。
え!はや!!あっという間だったなという感覚だ。気持ち的にも少し落ち着いたので、少し出版を振り返ってみたい。
電子書籍で『ほめる英語であなたは変わる!』を出版したのが2018年。
きっかけは、2017年のセミナーコンテストグランプリ出場で自分なりの最高のセミナーができた!という手ごたえがありつつ入賞できなかったことだった。
その無念さもあって、広く「ほめ英語」を知ってもらいたい、と思いながら電子書籍を書いた。私の行動はいつも怒りや悔しさがバネになっている気がする。
そしてコロナ禍の2020年以降、大学の授業が軒並みオンラインになったり、プライベートの衝撃的な出来事があったりして自分に向き合う時間が増えた。というか、向き合わざるをえなくなった。「自分はどうしたい?何がしたい?」と。
このときに「やっぱり紙媒体の本を出版したい」という強い思いがわきあがった。
電子書籍を出しておきながら言うことではないのだけれど、個人的にはKindleリーダーを持ちつつも、やはり紙の本で読むことが多かった。実際の本は圧倒的に老若男女に手に取ってもらいやすいし、書店などでふと目にもつきやすい。紙媒体の方がより多くの人に届けやすいと思った。
電子書籍の『ほめる英語であなたは変わる!』は、内容にはとても満足している。(イラストも自分で描いた)
ただ電子のみなのがネックだった。できれば私の親世代(70代)にも読んでほしいし、実際に使えるような単語やフレーズをわかりやすく紹介したい!という気持ちが高まり、2021年から本気で企画書づくりと出版に向けて行動し始めた。
その間、ライターの江角悠子さんのライティングコーチを受けて企画書をブラッシュアップしたり(&ビビる私の背中を軽やかに押してもらったり)、さらに江角さんきっかけで知った近藤令子さんのコーチングによって「英語の知識以上にもっと大切なことを伝えたい」「英語を通してやさしい世界を作りたい」という私の価値観がクリアになったりしたことも大きな転機だった。
このお二人との出会いがなければ本は完成していなかったと思う。迷いがなくなった。自分が「いい」と信じたものを人目を気にせずどんどん表現しよう、という覚悟ができた。
しかし出版までの道のりは平たんではなく、決まりかけてボツになったり、企画書を出してもなしのつぶてだったりと、すんなりとは程遠かった。
でも不思議と心が折れることもなく、5分ばかり落ち込んだあとで「よし次だ」と私にしては珍しく前を見てサクサク行動できた。そんなとき、ベストタイミングでご連絡をくださったのがアルク書籍編集部さんだった。運命的な出会いと言ってもいい。
企画に興味を持ってくださった編集担当のFさんは、3年前に「ほめ英語」のアイデアが企画会議を通過して、私の電子書籍を読んでくれていたという。
まず読んでくださっていたことに驚いた。やっぱり書いておくものだな、書かずにいられないという衝動のままに書いてよかったな、とうれしかった。だが、途中で組織体制が変わってFさんが現場を離れたため、企画がとん挫したままになっていたらしい。
それが時を経て私から企画書が送られてきたので、驚いたと同時に「強いご縁を感じた」と書かれた心のこもったメールをいただき、企画が動き出した。
執筆から出版を経て感じたのは、著者名は私でも、たくさんの人が動いてくれて一冊の本が完成するということだ。当たり前だけれど、編集さんや営業さん、デザイナーさんやイラストレーターさんと一緒になって、チームワークで作り上げるものなんだなと実感した。
本作りが進む中、東京の翻訳会社で働いていたときのことを思い出していた。
PM(プロジェクトマネージャー)から渡された原文から、私が翻訳したり校正したものをDTPに渡して、それを営業さんがチェックしてクライアントに渡す。
そしてその間のコミュニケーションがうまくいってないと、プロジェクトは進みづらい。逆にいいチームだとお互いの意思の疎通がしやすいのでスムーズに進み、納期どおりにクオリティの高いものができて、クライアントさんにも喜ばれた記憶がある。
本を出版するにあたって、アルク書籍編集部のすばらしい編集さんたちに大いに助けられた。とてもありがたく、英語講師としての長年の想いを本という形にできたことに心から感謝している。
それは「ほめ英語をもっと知ってほしい」「ほめ英語で気持ちの伝わる英語コミュニケーションを学んでほしい」という想いをしっかり共有できていたからだ。
編集さんとほめ単語や例文をピックアップしながら、お互いに「なんか気分が上がる」「作っててもハッピーになるね」という言葉が自然に出た。(おかげで修羅場でも前向きに進められたのは「ほめ英語」効果のひとつかもしれない)
そんな作り手の弾む気持ちが、本にも表れていると思う。
英検やTOEIC対策本のような即効性のあるテキストではないけれど、じわじわと地道に広まってくれたらな、と願っている。
和歌山では、市民図書館や県立図書館でも置いてくださってます。(ありがたいことに2冊ずつも!)
見かけたらぜひ読んでみてください。
すでに読んでくださった皆さま、手に取ってくださり本当にありがとうございます!
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Kana