Tea Gathering


春分の日にふさわしい晴れやかな日に、「英語で茶道@温山荘」イベントが行われました。

「茶道」は一般的には英語で Tea Ceremony と訳されますが、「茶事」や「お茶会」はTea Gathering と呼ばれるようです。なるほど~。

それにしても茶道って堅苦しいイメージがありますよね。少なくとも私にはありました。

実は中学生のときに1年ほど茶道を習っていたことがあります。
といっても自分から行きたい!と言ったわけではなく半ば強制的に。
確か、私のスリッパの脱ぎ方がなってない!と激怒した父がしつけ?礼儀作法?の一環で無理やり私を茶道教室に入れたのです。今考えたら、茶道を習ったからって礼儀作法が身につくわけでもないのです。いまだに急いでたらスリッパ脱ぎ散らかすし、冷蔵庫の下は足で閉める私です。(父の前では極力しませんが)

中学時代はバレーボール部に所属していたのですが、その部活動を早退して茶道教室に通わなければならず、とってもいやでした。しかもバレーの練習後だからお茶碗や柄杓を持つ手がプルプルしてしまうし、「何のためにやってんだかなー」と思いながらも父親に反抗できず仕方なく通っていた私。

しかも茶道の先生は当時80歳くらいのおばあさんで、お茶のお稽古をしながらお嫁さんの愚痴を私に聞かせるのです。なんで中学生の私に、、って思いながらもほーほー聞くしかなかったのですが、ますます茶道が楽しくなくなる。なので、1年も習ったわりにはほとんど茶道の流れを覚えておらず、ルールが多くて楽しくないイメージしか私の中には残りませんでした。

月日は流れ、今回の「英語で茶道」の講師をしてくださった山下先生から思いがけずお茶の手ほどきを受けることに。リラックスした雰囲気の中で先生の説明を聞きながらお茶を楽しむうちに、「茶道って、本当はお客様をもてなすための心得や日常生活で気持ちよく使えるエッセンスがいっぱいなんだー」と今までの茶道のイメージが覆されました。

昨日の大人クラスでも先生がご説明されていたように、お箸でお菓子を取る動作ひとつにしても、美しくかつ実用的です。すべての所作が、亭主側にとってスムーズに進み、かつ客側が楽しめるように考えられています。

そして昨日、個人的に感動したのは千利休が詠んだといわれるこの歌。

「茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし」

山下先生がこの日のために持参してくださった掛け軸に書かれていました。

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掛け軸の説明を聞く大人の参加者の方たち。それをデイビッドが英語でさらに説明しています。

英語にすると、“Know that chanoyu is a matter of simply boiling water, making the tea, and drinking it.

” と訳されるようですが、いきなり山下先生にいろいろ振られて固まるデイビッド。でも今回のイベント準備はほとんど私にまかせていたので、本番でこのくらいの試練があってもいいでしょう…!

茶の湯とは決して敷居の高い世界でも難しいことでもなく、お湯をわかしてお茶を点て、お客様に差しあげ、そして自分もいただくという、日常生活をもとにしていることを教えています。

目からウロコの言葉です!ふっと肩の力が抜けて自然に茶の湯の心が入ってくるようで、英語教育のみならずいろんなことに活かされる言葉だなあ、と思いました。

英語も文法だの単語だの英作だの、難しく考え出すときりがありません。でも英語を学ぶ真の目的は、「自分の考えを自分らしく伝えること」ではないでしょうか。

そんな茶道と英語のコラボだった今回のイベント、めっちゃ楽しくていろいろ刺激をもらいました。でも畳で正座が長くなると、こんなに足にくるとは…。もちろん正座は強要されていないのですが、ホストとしてつい気が張って正座し続けた結果、イベントが終わった頃は心身ともにぐったりでした。

でも今日は復活!お彼岸のお参りからの、愛犬むぎちゃんのお散歩、そして急ぎの翻訳のお仕事に取り掛かっています。たまになら、翻訳は楽しい。

みなさまも素敵な休日をお過ごしくださいませ。

Have a happy & lovely spring holiday!

Kana