【好きのパワーに勝るものなし】Thanks to the movie “Elvis”


映画「エルヴィス」を観てから1週間。また2回目をひとりで鑑賞してきた。
自分でも狂ってると思うけど、3回目も行くかもしれない。

…という書き出しのままブログをほったらかしていたら、結局5回も鑑賞してた。ひー。

今はもう和歌山では上映していないのだけど、上映期間中は最終日まで「まだやってるんだな」と思ったらザワザワして時間を見つけては行く、というクレイジーな日々だった。自分でも若干引いてる。5回目に行ったことはしばらく夫に言えなかった。(そしてまだ大阪ではやっているので、気づいたらスマホで上映館をチェックしてる。誰か止めてほしい)

昔から映画は好きだけど、同じ映画を観るために劇場に5回も足を運ぶなんて、人生で初めてのことだ。
どうしてしまったのだろう。自分なりに分析してみる。

エルヴィスと共に私の夏は始まった(大げさ)

とにかく主演のオースティン・バトラーが最高。ただの男前ではない。
彼のナイーブさと色気と可愛さ、そしてエルヴィスへの憑依っぷりに完全ノックアウトされた。

映画を観る前は、キャスト名を見て「誰だろう?知らないな」と思っていた。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019)にヒッピー役で出ていたと聞いて、なんとなく思い出した程度。

でも「エルヴィス」を観た後は、とにかく彼の情報を…!!という切羽詰まった気持ちでインタビュー動画を漁りまくっている。(本当に便利な時代です)

各国のテレビ番組でのインタビューは YouTube で観られるし、英語字幕も出せるし、今の時代、英語を勉強する環境はとても整っていてうらやましい限り。その気になれば、自分でお金をかけずに英語力を伸ばす方法はあふれている。

私もこの1か月で自分の培ってきた英語力をありがたいと思ったし、こういうときに海外の情報をいち早く理解できるのが英語をマスターする一番のメリットだ。さらに英語の瞬発力もピーク時(ロンドンにいたとき)を取り戻した感がある。日本にいると日本語どっぷり環境になりがちなので、このあたりはどうしても落ちがち。やはり意識して触れないとダメだ!とあらためて思った。

映画に話を戻すと、長い映画(約2時間40分)にもかかわらず最後まで引き込まれるのは、バズ・ラーマン監督の独特なテンポと「ハッタリの効いた」(私の映画師匠であり小学校の恩師、栩野先生のコメントより)演出。キラッキラな世界感もストーリーに合ってるし、50~70年代にかけての空気がまったく古く感じない。エルヴィスという存在を後追いで体感した気分。

昔からほぼホタテマン的イメージしかなかった(ごめん)エルヴィスの古い映像をみるたび、「なんで女子たちあんな発狂するんだろう?イミフ」と不思議だったのが、今では映画を観ながらギャアアアアとステージに駆け上がりたくなる。映画館で自分を押さえるの必死。ラーマン監督、エルヴィスを現代に蘇らせてくれて、その偉大さを体験させてくれて本当にありがとう!

そしてなんといってもオースティンをキャスティングしたすべての人たちは神。ネ申!!

以下、Aust(「オース」的に発音。ラーマン監督がこう呼んでるのでマネ)のインタビューから、英語とともに私的萌えポイントを抜粋。

モデル風のかっこいい見た目に反して、とても謙虚でシャイなオースティン。
インタビューでもよく言ってるのは、

“I still am a quite shy person and a private person.”
「今でも僕はかなり内気だし、自分をさらけ出さない人間」

”I was always a wallflower.”
「僕は(パーティでも)常に壁の花だった」

など、王道のハンサムヤングアメリカン顔からは想像のつかないシャイっぷり。話し方からもそれがうかがえる。
インタビュアーからも “You are such a reserved person” (控えめな人ですよね)と言われるほど。

SNS やインターネットからも距離を取っているようで、

“Social media is a pretty toxic thing…stay off the Internet or any of that and just try to stay ground.”
「SNS はかなり有害だよね… インターネットの類から離れて、落ち着いて生活するようにしているよ」

31歳の、Z世代セレブリティとは思えぬ発言ばかりだ。
「エルヴィス」での最高のパフォーマンスを観たあとだけに余計にギャップ萌え。

2回目の鑑賞後、私は家に帰ってすぐさま「オースティンはオスカーを獲るね」と夫に断言した。(ちょっと引いてた)
でもきっと受賞すると思う。

そのくらい彼はエルヴィスそのものというより、本家を超える魅力を放ってスパークしていた。(これ以上は止まらないので自制)

私のスマホ待ち受け画面。trouble歌唱シーンは令和のベストライブに決まりました

あと「エルヴィス」の撮影は2020年初めに予定されていたものの、コロナのパンデミックや共演するトム・ハンクスがコロナに罹患したこともあって、撮影が6ヵ月伸びてしまったそうだ。

再開されるかどうかもわからず、かなり心配したというオースティン。でも、その6ヵ月の空白の期間でどっぷりエルヴィスを研究して自分の中でじっくりと作り上げることができたので、「その時間がなかったら映画はまったく違うものになってただろう」と語っていたのが印象的だった。

the silver lining of that was it allowed me six month to get to marinate.
「(撮影が延びたことの)思いがけない良い面は、6ヵ月の待期期間で役を熟成させることができたこと」

silver lining(雲に隠れた銀の裏地)は、暗雲でも太陽に照らされた逆側は明るいことから、「困難の中にある希望」を意味する比喩表現。
絶賛執筆中の本にも silver lining を使ったほめ例文を挙げていたので、「おお、こういう風にも使うのね!」とタイムリーにオースティンの生きた英語に触れてうれしかった。

そのほか、メモした心に残る表現の数々はこちら。

(Playing Elvis as a role) is the biggest responsibility I’ve ever felt. So it’s terrifying.
「(エルヴィスを演じることは)今まで感じたことのない責任感に襲われて、身がすくむ思いだった」

I felt “Am I enough?” and imposter syndrome.
「僕は十分この役に値するのか?と思ったりインポスター症候群になったりした」

You feel like you are about to climb Mt. Everest. I just had to approach it one step at a time.
「まるでエベレスト山に登るような気分だった。一歩ずつ進めていくしかなかった」

あの!圧巻の演技を観たあとだからこそ!この言葉たちが染みる。
imposter は詐欺師の意味で、imposter syndrome は人の評価ほど有能でないと思い込んだり、恐れること。なんかとっても身に覚えがあるわあ。自分の力量以上のことにトライするとき、必ずこんな気持ちに悩まされてきた。オースティンでも!?と勝手に親近感。

生き馬の目を抜くハリウッドで、これからオスカーも受賞して大スターになるのに(決定事項)、こんな繊細で大丈夫…?と謎の叔母目線で心配になってくる。

最後のエベレスト山にたとえた表現はインタビューでもよく語っていて、どんなに大きいチャレンジに見えても、目の前のできることをひとつずつこなしてきたからこそ、あの素晴らしい演技につながってるんだな…と、ここでも勝手に勇気をもらえたりした。

特にこの1カ月は本の執筆などのプレッシャーもあって個人的にウワアアアってなってたけど、エルヴィス祭りのおかげで前に進めたし、英語力アップといううれしいおまけもついてきた。

やはり好きのパワーはすごい。
英語力をつけたい人は、なんとかして英語に触れる機会を自分の「好き」につなげてみてほしい。
好きをベースにしたモチベーションに勝る勉強法はない!そして、映画ってやっぱりいいな!!

Kana

親友が送ってくれた(取りそこねて泣いてた)フライヤー。another ネ申!

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