映画で英語☆


最近観た映画から2本をご紹介。

まずは「マンチェスター・バイ・ザ・シー」。

大学の最終授業やレッスンの合間を縫って無理やりレイトショー観に行ってほんっと良かった!と思えるほど素晴らしい作品でした。

主演のケイシー・アフレック(ベンアフの弟さん)はこの作品でオスカー主演男優賞を受賞しています。
アカデミー賞を観たときは、なんでライアン・ゴズリングじゃないのおおおーーーと心で叫んでいた私でしたが、この作品を見て受賞を納得。

決して明るい話ではないけれど、とにかく役者さんの鬼気迫る演技がグッと心に入り込み、観終わった後も切ない苦しいでも何かすがすがしい、そんな気持ちになる静かで美しい映画です。アメリカ北東部の寒い地域が舞台なので、この時期に観るとちょっと冬が恋しくなりました。そんなキリッとした冷たい空気感もまたよかった。

ケイシー・アフレックはお兄さんほど華がないし私生活もいろいろ問題あるっぽいけど、彼の演技に心が震えました。そのほかの俳優さんたちも本当にこの町に住んでいるかのようなリアルさ。

余談ですが、80年代映画ファンにはおなじみのマシュー・ブロデリックもちらっと出演しています。ふっくらしてて一瞬わからなかった。。時の流れを感じました。(でもいい味出してた)

英語的にはスラングがいっぱい使われてます。ちょっと耳をふさぎたくなるほど。それもまた彼の境遇や心境を表していてリアルなのです。
余裕のあるときだけでも日本語字幕と英語を比べて観ていると、英語脳にとって刺激になります。映画はぜひとも字幕で!

2つ目はちょっと古い日本映画です。「影武者」by黒澤明監督。

これはデイビッド(夫)から、一緒に観よう~とずっと誘われてたのですがあまり乗り気でなく。。ロンドン留学時代に「羅生門」を観に行ったけど若かった私にはいまいちピンとこなくて、それ以来あまり黒澤作品は観てませんでした。

しぶしぶDVDの英語字幕付きで観てみたところ、これが予想外に面白かった!!

こちらも俳優の力に圧倒されて引き込まれました。特に主演の仲代達矢が素晴らしすぎた。

武田信玄役と影武者(盗人)役の両方を演じているのですが、信玄のときと盗人のときの立ち振る舞いや表情がまったく別人で、本当にどっちも仲代さん?と疑ってしまうほど。今さらながらすごい役者さんだなあとしみじみしました。

右の二人が仲代さん(ちなみに左は弟役の山崎努)

デイビッドはALTとして小中学校で教えていた時、生徒たちから「日本の好きな芸能人は?」みたいな質問をされて、いつも「タツヤ・ナカダイ!」ってドヤ顔(想像)で答えていたらしいですが、みんなポカーンとしてたそう。そりゃ小中学生は知らんよ。。でもそこまで心酔する気持ちがわかりました。

ちなみに、こんな風に日本語の映画も英語字幕付きで観ると英語の勉強にうってつけです。
特に字幕は字数が限られているので、長々としたセリフもニュアンスをすくいとった絶妙な言い換え(時に意訳)で表されます。

上の画像のセリフは日本語では「(盗人があまりにも信玄に似ているため)お父上の落とし種かも知れぬ…」という弟のセリフです。

こんな古めかしい言い回しで、しかも「落とし種」とかどう訳すの!?って思うかもしれませんが、字幕のような英語(I wondered if our father might have had another son somewhere.)で十分通じます。シンプルでしょう?こんな風に高校1年くらいまでに習う英語表現がたくさん使われています。

さらにこんなシーンも。

ここでは、弟が「だまれ!」と盗人をたしなめています。

Shut up! Be quiet! だけではなく、Hold your tongue! なんて言い方もするんだなあ~と勉強になりますね。

こんな風に映画で英語を勉強することは、映画好きとしては全力でおすすめしたい。

特に、こなれた日本語をシンプルな英語に言い換えることはスピーキングには欠かせないコツ。これができずに「英語が話せない、、」と悩む大人の方が多いのです。日本映画を自宅で観るときは、ぜひ英語字幕付きで観てみてください。ジブリ映画なんかでも楽しいですよ♡

Kana